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109条と110条の重畳適用

最判昭45.7.28
109条と110条の重畳適用
参考:裁判所HP http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54156

最近金まわりがよくないな~。そろそろ山林でも売ろうかな。
猫
山林買うよ。はい手付金20万円。今度、代理人のにゃん太が伺うからよろしくね。
猫

翌日

たかし君~!カモさんの代理人のにゃん太が来たにゃンよ~
猫
おお!来たか!委任状、売渡証書だとか登記に必要な書類持っていってくれ。
猫
委任状は、「登記申請に関する一切の権限」についてニャンね。
猫
あれ?受任者欄が白紙だし、売渡証書の名宛人が書かれていないけど良いのかニャ?
猫
いいのいいの!面倒だし。あとはカモさんに任せておけば大丈夫!
猫

説明:たかし君はにゃん太に委任状や売渡証書を渡して何がしたかったかというと、 山林の所有権移転の登記をしたかったのです。

カモさん!これを預かってきたニャ!
猫
ん?良くやったな。急で悪いけどその書類持って、あべちゃんの所に行ってもらえないか?
猫
あべちゃんの所に行ってどうするニャ?
猫
たかし君から買った山林を、あべちゃんの持ってる山林と交換したいんだよ。
猫

説明:カモさんは、あべちゃんと山林を交換するため、 にゃん太に代理権を与えて契約に向かわせました。 もう一度、関係図でおさらいしましょう。

あべちゃーん!
猫
おお、にゃん太君。何かな?
猫
たかし君が、山林をあべちゃんに売りたいって言ってたニャ!!!
猫
うーん、そうだな、書類を見たところ信用できそうだね。よし!交換しようじゃないか。
猫

説明:なんとにゃん太は、カモさんの代理人ではなく、 たかし君の代理人として契約をしてしまいました。

後日

たかし君、山林の件だけど・・はやく登記移転してくれないかな。
猫
は?なんのこと?
猫
にゃん太君が、君の代理人として来て、契約をしたじゃないか。聞いてないかい?
猫
うそだろ!?にゃん太の野郎なにしてくれてんだ!
猫
君にはしっかりと責任を取ってもらうよ!では、法廷で会おう。
猫

説明

あべちゃんは無権代理の本人(たかし君)に、 所有権移転登記手続を求めて訴訟を提起します。

さて、たかし君とにゃん太の関係を考えてみましょう。
たかし君は、にゃん太に代理権を与えていません。委任状の交付先はカモさんです。

ということで、あべちゃんは無権代理の本人(たかし君)に、 所有権移転登記手続を求めて訴訟を提起します。

さて、たかし君とにゃん太の関係を考えてみましょう。
たかし君は、にゃん太に代理権を与えていません。委任状の交付先はカモさんです。

しかし、あべちゃんは、契約相手をたかし君だと信じました。
なぜ信じたかというと、にゃん太が、たかし君の委任状を持っていたからです。

たかし君は、にゃん太に代理権を与えていませんが、白紙委任状を直接交付するなど、 にゃん太とカモさんを信頼していたということが分かります。

判例では、こうしたことを鑑みて、たかし君から、にゃん太へ代理権の授与表示が あったとされています。
ここで、109条をもう一度確認しましょう。

第百九条  第三者(あべちゃん)に対して 他人(にゃん太)に代理権を 与えた旨を表示した者(たかし君)は、 その代理権の範囲内において その他人(にゃん太)が 第三者(あべちゃん)との間でした行為について、 その責任を負う。ただし、第三者(あべちゃん)が、 その他人(にゃん太)が代理権を 与えられていな いことを知り、又は過失によって知らなかった ときは、この限りでない。

結論

代理権の授与表示はあったものの、代理権の範囲内かどうか考えてみましょう。
委任状の内容は、山林の所有権移転登記手続に関するものです。
山林の交換契約に関する委任ではありません。
これでは、代理権の範囲外の行為になってしまいます。
109条はあくまで「代理権の範囲内」に関して規定しているので、 109条だけでは本件はカバー出来ません。
そこで、109条と110条を重ねて適用されることとなりました。

転々予定型

転々予定型

非転々予定型

1.直接型

2.間接型

(1)委任事項濫用(最判昭39.5.23)

(2)委任事項非濫用(最判昭42.11.10)

109条と110条の重畳適用(最判昭45.7.28)

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