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TOP /  民法 / イラスト講座 / 制限行為能力者 更新日2017年7月(7月31日民法改正点についてアップデート)
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「成年後見の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに、成年後見の基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識のよる問題は、落とすと一気に苦しくなります。

※民法改正について(平成29年6月2日公布)
改正点なし
民法7条(後見開始の審判)、9条(成年被後見人の法律行為)、 11条(保佐開始の審判)、15条(補助開始の審判)


改正点有り
13条(保佐人の同意を要する行為等)

成年後見制度とは

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々を保護する制度の事です。 後見制度は「後見」、「保佐」、「補助」に分けられており当事者の判断能力によって制度を選ぶことが出来ます。

「後見」開始の審判を受けた者の事を「成年被後見人」といいます。
「保佐」開始の審判を受けた者の事を「被保佐人」といいます。
「補助」開始の審判を受けた者の事を「被補助人」といいます。

成年被後見人

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあり、後見開始の審判を受けた者(民法7条)。

事理弁識能力を「欠く」というのは、自分のやった事を判断する能力が無い状態です。 ですので、法律行為をするのであれば家庭裁判所から選任された成年後見人が代理してすることになります。成年後見人は、財産に関する法律行為の包括的な代理権を持っています。

成年被後見人が成年後見人の同意を得て法律行為を行ったとしても、成年被後見人は当該法律行為を取り消すことが出来ます。成年後見人に同意権はありません。

成年被後見人『マンション買っていい?』
成年後見人『いいよ。』

このように同意があっても、取り消すことが出来ます。
取消権者は成年被後見人と成年後見人です。

成年被後見人のした法律行為は原則として取り消すことができますが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことが出来ません(民法9条)。
日用品の購入等を取り消すことが出来ないのは、被保佐人、被補助人も同様です。

根拠条文
(成年被後見人の法律行為)
第九条  成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

被保佐人

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分で、保佐開始の審判を受けた者(民法11条)。

被保佐人は成年被後見人と違い、事理弁識能力は著しく不十分ですがあります。
被保佐人は一定の事項(民法13条1項+拡張事項があれば拡張事項)を除き、単独で有効に法律行為を行うことが出来ます。

そうしたこともあり、保佐人には原則として代理権はありません。
制限はありますが単独で法律行為を行えるのだから、保佐人に包括的に代理権を与える必要はないということです。 代理権はオプションとして付けることは出来ます。本人以外の請求で代理権を付ける場合は、本人の同意が必要です。

保佐人は一定の事項に関して同意権を持っています。 被保佐人が、民法13条1項所定の行為をするには保佐人の同意がいります。

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条  被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
※上記以外にも同意を要する事項を増やす審判をすることが出来ます。
※13条1項の内容をすべて暗記するのは細かすぎるので一読程度にしましょう。出たら細かすぎる論点です。

13条3項も見ておきましょう。

第十三条三項
保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

※13条3項と同様の規定が、被補助人にもあります(民法17条3項)。

被補助人

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分で、補助開始の審判を受けた者(民法15条)。

事理弁識能力が不十分という程度で、ほとんど一般的な人と変わらない判断能力を持っています。
そこで、補助開始の審判をするには、本人の同意が必要になります(民法17条2項)。

『じいさん最近ぼけてきたし、補助開始の審判しないか?』
『はあ?まだまだ現役バリバリ!被補助人になんかなるか!何かするのにお前の同意をもらわないといけないなんて嫌だ!』

「後見」と「保佐」開始の審判は本人の同意なくできるのと大きな違いです。

補助人の同意事項は、民法13条1項の中から選択します。当たり前ですが、すべて選択することは出来ません。だったら保佐開始の審判をすべきです。

保佐人同様、補助人には原則として代理権はありません。
補助人に代理権をオプションとして付けることは出来ます。本人以外の請求で代理権を付ける場合は、本人の同意が必要です。

成年後見制度の請求権者

後見、保佐、補助開始の審判の請求が出来るのは、本人、配偶者、四親等内の親族、検察官が出来ることを覚えておこう。
他にも後見人や後見監督人、保佐人などいるが少し細かい(民法7条、11条、15条)。

民法改正論点 13条(保佐人の同意を要する行為等)

現行民法

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条  被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。

2  家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3  保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4  保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

改正民法

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条  被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一号~九号省略
十  前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
2項~4項省略

改正民法の解説

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第13条(被保佐人の同意を要する行為等)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成17年問24のウ
正誤問題.本人以外の者の請求によって保佐開始の審判をするためには、本人の同意が必要である。

平成18年問27の3
正誤問題.制限行為能力者が成年被後見人であり、相手方が成年被後見人に日用品を売却した場合であっても、成年被後見人は制限行為能力を理由として自己の行為を取り消すことができる。

平成27年問27のイ
正誤問題.被保佐人がその保佐人の同意を得なければならない行為は、法に定められている行為に限られ、家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求があったときでも、被保佐人が法に定められている行為以外の行為をする場合にその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることはできない。

平成27年問27のウ
正誤問題.家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によってその審判をするには、本人の同意がなければならない。

平成27年問27のエ
正誤問題.家庭裁判所は、本人や配偶者等の請求により、補助開始の審判をすることができるが、本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

平成22年問27の1
正誤問題.AがBに対してA所有の動産を譲渡する旨の意思表示をした場合に、Aが、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある場合、Aは当然に成年被後見人であるから、制限行為能力者であることを理由として当該意思表示に基づく譲渡契約を取り消すことができる。

平成22年問27の2
正誤問題.AがBに対してA所有の動産を譲渡する旨の意思表示をした場合に、Aが、被保佐人であり、当該意思表示に基づく譲渡契約の締結につき保佐人の同意を得ていない場合、Aおよび保佐人は常に譲渡契約を取り消すことができる。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

「未成年者の単独行為」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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「制限行為能力者の相手方保護の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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