行政書士試験の過去問を漫画・イラストで対策

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行政書士試験の民法に関する知識ですが、その他資格試験でも有用な情報です。
公務員試験、司法試験、司法書士試験、宅建など

「錯誤無効の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識による問題は、本試験において最も重要度の高い問題です。落とすと一気に苦しくなります。

※民法改正について(平成29年6月2日公布)
改正点有り 95条(錯誤)
※下記解説は改正前の内容になります。

意思の不存在とその類型

意思表示が行われた際の「内心における真意」と「表示」が一致しないことを意思の不存在と言います。
意思の不存在には、3つの類型が規定されています。

93条 心裡留保
94条 通謀虚偽表示
95条 錯誤無効

錯誤無効

(錯誤)
第九十五条  意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

錯誤とは「勘違い」の事です。
プレステがほしいと思いお店に行って、勘違いしてセガサターンを買ってしまうようなケースです。

※錯誤の意思過程の例

プレステでFFが出る!?(動機)

プレステを購入しようと思う(効果意思)

お店へ行きプレステを下さいと言おうと思う(表示意思)

間違えて「セガサターンを下さい」と言う(表示行為)

このように錯誤のある意思表示は原則として無効となります。
ただし、表意者に「重大な過失」があった場合は無効主張できなくなります。

無効主張の主体

無効な法律行為は、誰からでも主張できるというのが原則です。
しかし、錯誤無効は原則として「表意者」に限定されます。

第三者が無効主張出来る場合

表意者以外の第三者が錯誤無効を主張出来る唯一の例外です。

第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される(最判昭45年3月26日)。

以下リンク先でイラストを交えて分かりやすく解説しています。
【記述対策にもなる】民法の錯誤について漫画風に解説【行政書士試験H17-問27-ア】

要素の錯誤

勘違いでした意思表示が、何でも無効となるかというとそうではありません。
条文にもあるとおり、法律行為の要素の錯誤である必要があります。
要素の錯誤とは、ざっくりいうと「契約の重要な部分」に勘違いがあったという事です。
プレステがほしかったのに、セガサターンを買ったというのは、契約の重要な部分に錯誤があったと言えるでしょう。

要素についての判例(大判大7.10.3)
通常人の基準から言っても、最もであるほどの 重要な部分についての錯誤であること
かつ、錯誤がなければ、表意者は意思表示をしなかっただろうということ

以下リンク先でイラストを交えて詳細に解説しています。
【記述対策にもなる】民法の錯誤について漫画風に解説【行政書士試験H25-問27-ア】

人違い

人違いが要素の錯誤になるかは契約の態様によります。

賃貸借・贈与・委任契約は要素の錯誤となる。
売買契約は要素の錯誤とならない。

動機の錯誤

動機に錯誤があった場合、判例は、これを要素の錯誤にはあたらないとしました。

動機の錯誤の例

※動機の錯誤の意思過程の例

セガサターンでFFが出る!?(動機)

セガサターンを購入しようと思う(効果意思)

お店へ行きセガサターンを下さいと言おうと思う(表示意思)

「セガサターンを下さい」と言う(表示行為)

上記イラストでいう、「セガサターンでFFがでる!?」というのが動機の部分です。
効果意思、表示意思、表示行為に食い違いはなく、セガサターンを買っています。

動機の表示

動機の錯誤が一切無効主張出来ないかというと、そういう訳ではありません。
判例は、「動機が相手方に表示され意思表示の内容となった場合」には、要素の錯誤になりうるとしています(大判大3.12.15、最判昭29.11.26)。
また、動機が黙示的にされた場合も要素の錯誤になることがあります(最判平元.9.14)。

民法改正論点 95条(錯誤)

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第95条(錯誤)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成25年問27のア
正誤問題.法律行為の要素に関する錯誤というためには、一般取引の通念にかかわりなく、当該表意者のみにとって、法律行為の主要部分につき錯誤がなければ当該意思表示をしなかったであろうということが認められれば足りる。

平成25年問27のイ
正誤問題.法律行為の相手方の誤認(人違い)の錯誤については、売買においては法律行為の要素の錯誤となるが、賃貸借や委任においては法律行為の要素の錯誤とはならない。

平成25年問27のウ
正誤問題.動機の錯誤については、表意者が相手方にその動機を意思表示の内容に加えるものとして明示的に表示したときは法律行為の要素の錯誤となるが、動機が黙示的に表示されるにとどまるときは法律行為の要素の錯誤となることはない。

平成25年問27のエ
正誤問題.表意者が錯誤による意思表示の無効を主張しないときは、相手方または第三者は無効の主張をすることはできないが、第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者が意思表示の瑕疵を認めたときは、第三者たる債権者は債務者たる表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することができる。

平成23年問27のウ
正誤問題.BがAから絵画を購入するに際して、Bに要素の錯誤が認められる場合、無効は誰からでも主張することができるから、Bから当該絵画を譲り受けたCも当然に、AB間の売買契約につき錯誤無効を主張することができる。

平成14年問27の3
正誤問題.動機の錯誤は、表示意思と表示との不一致を表意者が知らない場合である。

落としても仕方のない過去問

平成25年問27のオ
正誤問題.表意者が錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは、表意者は、自ら意思表示の無効を主張することができない。この場合には、相手方が、表意者に重大な過失があったことについて主張・立証しなければならない。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

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