行政書士試験の過去問を漫画・イラストで対策

まなぶネットワーク
TOP /  民法 / イラスト講座 / 親族 更新日2017年6月
このエントリーをはてなブックマークに追加

行政書士試験の民法の過去問ですが、その他資格試験でも有用な情報です。
公務員試験、司法試験、司法書士試験、宅建など

「婚約、婚姻および離婚」に関する過去問を漫画風に解説【行政書士試験H27-問35】

まずは過去問を読もう(平成27年度 問35)

問題:婚約、婚姻および離婚に関する以下の相談に対する回答のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

  1. <相談> 私はAとの婚約にあたりAに対して結納金100万円を贈与したのですが、結局は婚姻に至りませんでした。私はAに対して結納金100万円の返還を請求できるでしょうか。
    <回答> 結納は婚姻の成立を確証し、併せて当事者間の情宜を厚くする目的で授受される一種の贈与とされています。婚姻が解消された場合には原則として返還すべきものですので、あなたには結納金の返還を請求できる権利があります。
  2. <相談> 私は事実婚状態にあったBと合意のうえ入籍することにして婚姻届を作成しましたが、提出前にBは交通事故に遭い、現在昏睡状態にあります。こうした状態でも先に作成した婚姻届を提出すれば、私はBと正式に婚姻できるのでしょうか。
    <回答> 判例によれば、婚姻が有効に成立するためには、届出時点における当事者の婚姻意思が必要です。婚姻届作成後に翻意したというような特段の事情がないとしても、現在Bは意思能力を欠いた状態ですので、婚姻届を提出したとしても婚姻の効力は生じません。
  3. <相談> 私は配偶者Cとの間に子がいますが、Cは5年前に家を出て他で生活しており、子の養育費はすべて私が負担しています。Cに対して離婚訴訟を提起するにあたり、併せてこの間の養育費の支払いを求めることができるでしょうか。
    <回答> 子の監護に要する費用は、婚姻から生じる費用です。婚姻費用の請求は婚姻の継続を前提とする請求であるのに対して、離婚訴訟は婚姻の解消を目指す訴訟ですから、このように性質が異なる訴訟を一緒に行うことはできません。離婚を申し立てる前に、監護費用の支払いを求める訴えを別途提起する必要があります。
  4. <相談> 私と配偶者であるDとの婚姻関係は既に破綻しており、離婚にむけて協議を進めています。D名義のマンションを私に贈与することをDと私とは書面により合意したのですが、離婚届を提出する前日になって、Dは、この贈与契約を取り消すと言ってきました。Dの取り消しは認められるのでしょうか。
    <回答> 民法の規定によれば夫婦間の契約は婚姻中いつでも取り消すことができますが、その趣旨は、夫婦間の約束事に法は介入すべきではなく、当事者の道義に委ねるべきだというものです。婚姻が実質的に破綻しているような場合にはこの趣旨は妥当しませんので、Dはマンションの贈与契約を取り消すことができません。
  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

肢ウ、エの解説はこちらから

結納金の返還請求 肢アの解説

肢ア.<相談> 私はAとの婚約にあたりAに対して結納金100万円を贈与したのですが、結局は婚姻に至りませんでした。私はAに対して結納金100万円の返還を請求できるでしょうか。
<回答> 結納は婚姻の成立を確証し、併せて当事者間の情宜を厚くする目的で授受される一種の贈与とされています。婚姻が解消された場合には原則として返還すべきものですので、あなたには結納金の返還を請求できる権利があります。
『Aさん、結婚しよう。』
『うれしい。ありがとう。ところで結納金はいくらくれるの?』
『えっと~、100万円かな。』
『ありがとう。(100万か、相場ってところね)』

その後、結納金はAに贈与されたものの、婚姻には至らなかった。

結納金とは、男性側から女性側へ贈られる、嫁入りのための準備金として渡される意味合いのお金の事です。
判例は、「結納は、婚約の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与である」 と示しております(最判昭和39年9月4日)。

「婚姻をした場合に」とあるように、婚姻に至らなかったのであれば原則として結納金の返還を請求することが出来ます。
よって肢アは妥当である。

原則としてと書かれているのは、結納金を与えた者に落ち度があるかどうかで結論が変わるからです。

以下参考判例

どちらにも落度なく合意により解消

結納は、他日婚約が成立することを予想して授受する一種の贈与であって、婚約が後になって、当事者双方の合意の上、解除された場合には、当然その効力を失い、その給付を受けた者は、その目的物を相手方に返還すべき義務がある(大審院大正6年2月28日)。

結納金を与えた側に落度がある場合

結納の授与者が自らの有責事由によって婚姻不成立の事態を招来したり、あるいは正当な事由もないのに婚約を破棄した場合には、信義則上、授与者はその返還を求め得ないと介すべきである。(大阪地裁昭和43年1月29日)。

婚姻意思について 肢イの解説

肢イ.<相談> 私は事実婚状態にあったBと合意のうえ入籍することにして婚姻届を作成しましたが、提出前にBは交通事故に遭い、現在昏睡状態にあります。こうした状態でも先に作成した婚姻届を提出すれば、私はBと正式に婚姻できるのでしょうか。
<回答> 判例によれば、婚姻が有効に成立するためには、届出時点における当事者の婚姻意思が必要です。婚姻届作成後に翻意したというような特段の事情がないとしても、現在Bは意思能力を欠いた状態ですので、婚姻届を提出したとしても婚姻の効力は生じません。
『事実婚状態だったけど、正式に結婚しよう。婚姻届を作成するぞ(婚姻意思あり)。』
B『うれしい、これで正式に夫婦になれるわね(婚姻意思あり)。』

その後、Bは交通事故で昏睡状態に。

『Bは昏睡状態だけど約束どおり婚姻届けは提出するぜ(Bは昏睡状態のため婚姻意思があるか不明)。』
役所『受理するにゃん。』

婚姻は、婚姻意思をもって届出をすることで成立します。
届出の作成時、届出時の双方に婚姻意思がある必要があります。

Bは昏睡状態ですので、届出時に婚姻意思がないとして婚姻の効力が生じないということになりそうです。

しかし判例は、「届書の受理された当時意識を失つていたとしても、、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、届出が受理されることで婚姻は有効に成立する」と示しました(最判昭和44年4月3日)。

よって肢イは妥当でない。

参考判例(最判昭和44年4月3日)
「事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立する。」

民法改正の影響について

(婚姻の届出)
第七百三十九条  婚姻は、戸籍法 (昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2  前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

739条は改正による影響はありません。

肢ウ、エの解説はこちらから

私が合格するのに使った書籍

2017年版出る順行政書士 合格基本書

2017年版出る順行政書士 ウォーク問過去問題集 1 法令編 (出る順行政書士シリーズ)

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 憲法

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 民法1一総則・物権・担保物権

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 民法2一債権総論・各論・家族法

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 行政法

関係記事

- Powered by PHP工房 -