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TOP /  民法 / イラスト講座 / 贈与契約 更新日2017年6月
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「贈与契約」の過去問を漫画風に解説 その2【行政書士試験H27-問33】

まずは過去問を読もう(平成27年度 問33)

問題:Aは、自己所有の甲建物をBに贈与する旨を約した(以下、「本件贈与」という)。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 本件贈与が口頭によるものであった場合、贈与契約は諾成契約であるから契約は成立するが、書面によらない贈与につき贈与者はいつでも撤回することができるため、甲がBに引き渡されて所有権移転登記手続が終了した後であっても、Aは本件贈与を撤回することができる。
  2. 本件贈与が書面によるものであるというためには、Aの贈与意思の確保を図るため、AB間において贈与契約書が作成され、作成日付、目的物、移転登記手続の期日および当事者の署名押印がされていなければならない。
  3. 本件贈与につき書面が作成され、その書面でAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、遺言が撤回自由であることに準じて、Aはいつでも本件贈与を撤回することができる。
  4. 本件贈与につき書面が作成され、その書面でBがAの老後の扶養を行うことが約された場合、BがAの扶養をしないときであっても、甲の引渡しおよび所有権移転登記手続が終了していれば、Aは本件贈与を解除することができない。
  5. 本件贈与につき書面が作成され、その書面で、BがAの老後の扶養を行えばAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、Bが上記の負担を全部またはこれに類する程度まで履行したときであっても、特段の事情がない限り、Aは本件贈与を撤回することができる。

肢1~2の解説はこちらから

死因贈与の撤回 肢3の解説

肢3.本件贈与につき書面が作成され、その書面でAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、遺言が撤回自由であることに準じて、Aはいつでも本件贈与を撤回することができる。
――→
贈与者 受贈者
贈与者A「俺が死んだら持ってる不動産、全部お前にあげるよ。」
受贈者B「まじで!Aさんめっちゃ不動産持ってるじゃないですか!ちゃんと書面で約束してくださいよ!」

贈与契約書

贈与者Aと受贈者Bは、次のとおり死因贈与契約を締結する。
平成29年●月×日、贈与者Aは、自己の所有する不動産すべてを 受贈者Bに対し贈与することを約し、受贈者Bはこれを受諾した。
本件贈与は贈与者の死亡を停止条件とし効力を生じる。
(以下省略)

死亡することを条件とした贈与契約が締結されたが・・・。後日。
贈与者A「やっぱ、贈与契約撤回するわ。」
受贈者B「あばばばばば、」

肢3では、書面よる死因贈与契約を贈与者が撤回できるか聞いています。
死因贈与は、遺言の取消に関する規定が、その方式に関する部分を除いて準用されます。

(遺言の撤回)
第千二十二条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

死因贈与の場合、書面による贈与であっても、贈与者は自由に撤回できるということになります。
理由は、贈与者の死後の財産に関する処分については、遺贈と同様、贈与者の最終意思を尊重し、これによつて決するのを相当とするからです(最判昭和47年5月25日)。
よって肢3は妥当である。

民法1022条は、改正による影響はありません。

負担付贈与契約 肢4の解説

肢4.本件贈与につき書面が作成され、その書面でBがAの老後の扶養を行うことが約された場合、 BがAの扶養をしないときであっても、甲の引渡しおよび所有権移転登記手続が終了していれば、 Aは本件贈与を解除することができない。
贈与者A「私の老後はまかせたよ。代わりにこの家を贈与するから。」
受贈者B「まかせろって!」
BはAの老後の扶養をすることを約束し、書面により贈与契約を締結。
贈与者A「Bの奴、全然扶養してくれない・・・」
受贈者B「妻も姑との同居を嫌がるだろうし、扶養するのやーめた。でも家はもらうぜ。」

肢4では、負担付き贈与契約の受贈者が負担する義務の履行を怠った場合に、贈与者が契約を解除出来るか聞いています。
負担付贈与契約は、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定が準用されます(民法553条)。
受贈者が負担付贈与契約の負担した義務を履行しない場合、贈与者は債務不履行による解除をすることが出来ます(判例)。
よって肢4は妥当でない。

民法553条は、改正による影響はありません。

負担付死因贈与契約 肢5の解説

肢5.本件贈与につき書面が作成され、その書面で、BがAの老後の扶養を行えばAが死亡した時に本件贈与の効力が生じる旨の合意がされた場合、Bが上記の負担を全部またはこれに類する程度まで履行したときであっても、特段の事情がない限り、Aは本件贈与を撤回することができる。
贈与者A「私の老後はまかせたよ。代わりに私が死んだらこの家をあんたに贈与するから。」
受贈者B「まかせろって!」
BはAの老後の扶養をすることを約束し、書面により死因贈与契約を締結。
贈与者A「Bがちゃんと扶養してくれてうれしいよ」
受贈者B「ははは、あたりまえだろ!」
贈与者A「そういえば、気が変わったから、この家あげるのやっぱり無しね。」
受贈者B「まじかよ!」

肢5では、負担付き死因贈与契約の受贈者が約束どおり負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合でも、贈与者が撤回することが出来るか聞いています。

死因贈与契約は、遺言の取消の規定の準用によりいつでも撤回することが出来ます。
しかし、負担付の死因贈与契約において、受贈者が負担を全部またはこれに類する程度まで履行した場合にまで、撤回を自由に出来るのは相当ではなく、やむを得ないと認められる特段の事情のない限り、遺言の取消の規定は準用されません。贈与者Aは撤回できません。
贈与者の最終意思の尊重よりも、負担となる義務を履行した受贈者側の利益を上と見たということです(最判昭和57年4月30日)。
よって肢5は妥当でない。

肢1~2の解説はこちらから

「明日は別の論点を解説するよ」

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