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TOP /  民法 / イラスト講座 / 代物弁済 更新日2017年6月
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「代物弁済」の過去問を漫画風に解説【行政書士試験H27-問31】

まずは過去問を読もう(平成27年度 問31)

問題:代物弁済(担保目的の代物弁済契約によるものは除く。)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、土地所有権の移転の効果は、原則として代物弁済契約の意思表示によって生じる。
  2. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、債務消滅の効果は、原則として移転登記の完了時に生じる。
  3. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が占有する時計を引き渡した場合、当該時計が他人から借りた時計であったとしても、債権者が、善意、無過失で、平穏に、かつ、公然と占有を開始したときには、時計の所有権を取得できる。
  4. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する時計を引き渡した場合、その時計に隠れた瑕疵があるときでも、債権者は、債務者に対し瑕疵担保責任を追及することはできない。
  5. 債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて手形または小切手を交付した場合、これによって債務消滅の効果が生じるので、それらの不渡りがあっても、債権者は、債務者に対し損害賠償を請求することはできない。

所有権の移転時期について 肢1の解説

肢1.債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、土地所有権の移転の効果は、原則として代物弁済契約の意思表示によって生じる。
――→
債権者 債務者
債権者「事業資金として貸した1000万円だけど返せるのか?」
債務者「現金では返せないにゃん・・・代わりに僕が持っている土地で弁済したいにゃん。」
債権者「1000万円くらいの価値がありそうだしいいよ。」
←―――
土地所有権移転

肢1は代物弁済をした際の「所有権の移転時期」がいつか聞いています。
結論は、当事者の意思表示の時に所有権が移転します(判例、条文176条)。

よって肢1は妥当である。

(物権の設定及び移転)
第百七十六条  物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。

債務消滅の時期について 肢2の解説

肢2.債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する土地を譲渡した場合、債務消滅の効果は、原則として移転登記の完了時に生じる。
――→
債権者 債務者
債権者「事業資金として貸した1000万円だけど返せるのか?」
債務者「現金では返せないにゃん・・・代わりに僕が持っている土地で弁済したいにゃん。」
債権者「1000万円くらいの価値がありそうだしいいよ。」

債務者から債権者への
所有権移転登記完了

←―――
債務消滅

肢2は代物弁済をした際の「債務消滅の時期」がいつか聞いています。
結論は、代物弁済による債務消滅の効果は、特段の事情のない限り、単に代物弁済契約の意思表示をするだけでは生ぜず、所有権移転登記手続を完了した時に生ずる(判例)。

よって肢2は妥当である。

(代物弁済)
第四百八十二条  債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

本条文に「他の給付をしたとき」とあるが、代物弁済契約は原則として要物契約と考えられています。

即時取得について 肢3の解説

肢3.債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が占有する時計を引き渡した場合、当該時計が他人から借りた時計であったとしても、債権者が、善意、無過失で、平穏に、かつ、公然と占有を開始したときには、時計の所有権を取得できる。

債権者 債務者 他人

肢3は代物弁済契約が取引行為となり「即時取得が成立するか」聞いています。
結論は、代物弁済契約は取引行為となり、即時取得は成立します。

よって肢3は妥当である。

(即時取得)
第百九十二条  取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

瑕疵担保責任について 肢4の解説

肢4.債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて自己が所有する時計を引き渡した場合、その時計に隠れた瑕疵があるときでも、債権者は、債務者に対し瑕疵担保責任を追及することはできない。
←――
債権者 債務者

肢4は代物弁済契約によってされた目的物に瑕疵があった場合に「瑕疵担保責任を追求することができるか」聞いています。
結論は、代物弁済契約には売買の規定が準用されるため、目的物に隠れたる瑕疵があれば瑕疵担保責任を追求することができます。

よって肢4は妥当でない。

(有償契約への準用)
第五百五十九条  この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

(売主の瑕疵担保責任)
第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

債務の消滅について 肢5の解説

肢5.債務者が債権者と合意して、債権者に対し本来の債務の弁済に代えて手形または小切手を交付した場合、これによって債務消滅の効果が生じるので、それらの不渡りがあっても、債権者は、債務者に対し損害賠償を請求することはできない。
←――
債権者 債務者
債権者「事業資金として貸した1000万円だけど返せるのか?」
債務者「現金では返せないにゃん・・・代わりに小切手で弁済したいにゃん。」
債権者「小切手かぁ、まあいいよ。」

債権者が銀行に小切手を持っていき現金化しようとしましたが、債務者の口座はからっぽで不渡りとなりました。
小切手:現金の代わりに相手に手渡され、銀行に持っていけば換金できる有価証券のこと。

債権者「おらぁ!不渡りとはどういうことじゃあ!損害賠償せえや!」
債務者「小切手での弁済で良いって約束にゃん。」

肢5は代物弁済契約によって小切手が交付され不渡りとなった場合でも「債務が消滅」するのか聞いています。
結論は、小切手の交付をもって弁済は完了します。
1000万円の支払いに代えて、小切手を交付することで債権者は承諾しています。

よって肢5は妥当である。

(代物弁済)
第四百八十二条  債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

明日は別の論点を解説するよ。

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