行政書士試験の過去問を漫画・イラストで対策

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TOP /  民法 / イラスト講座 / 代理 更新日2017年7月
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行政書士試験の民法に関する知識ですが、その他資格試験でも有用な情報です。
公務員試験、司法試験、司法書士試験、宅建など

※民法改正について(平成29年6月2日公布)
改正点有り
民法108条(自己契約・双方代理)
下記解説は改正前の内容になります。

「代理の基礎知識その7 無権代理の相手方、双方代理・自己契約、日常家事債務など」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識による問題は、本試験において最も重要度の高い問題です。落とすと一気に苦しくなります。

前回、「代理の基礎知識その6 無権代理と相続」について解説しました。
「代理の基礎知識その6 無権代理と相続」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

無権代理の相手方

無権代理行為があった場合に、相手方が取りうる手段をまとめます。

  1. 催告
  2. 取消
  3. 無権代理人への責任追及
  4. 表見代理の主張

催告

(無権代理の相手方の催告権)
第百十四条  前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

相当の期間を定めて催告して、確答がなければ追認を拒絶したものとみなされます。
無権代理行為について、相手方が悪意であっても催告をすることが出来ます。

取消

(無権代理の相手方の取消権)
第百十五条  代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

取消は、無権代理人、本人のどちらに対し行使しても良い。
無権代理行為について、相手方は善意でなければ取消権を行使出来ません。
しかし、無過失までは要求されていないのに注意しましょう。

無権代理人への責任追及

(無権代理人の責任)
第百十七条  他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2  前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

無権代理人の責任を追及するには、相手方は無権代理行為について「善意・無過失」でなければなりません。 また、相手方が取消しをしていないこと。

他の要件は、「本人が追認していない」、「無権代理人が制限行為能力者では無いこと」です。

表見代理の主張

相手方は、表見代理が成立する場合、表見代理を主張して本人に契約の履行を求めることが出来ます。

表見代理については、以下のリンクで詳しく解説しています。
「代理の基礎知識その2 表見代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

双方代理・自己契約

双方代理

(自己契約及び双方代理)
第百八条  同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

契約当事者の双方の代理人が一緒の場合に問題になります。
売買契約をするのに値段交渉をするのに、代理人が一方当事者に肩入れし、一方当事者の不利益になるかもしれないため、双方代理は原則禁止となっています。

双方代理をしてよいのは、「本人があらかじめ許諾した場合」か、「債務の履行」の場合。
また、司法書士の行う、所有権移転の登記申請の双方代理はすることが出来ます。

双方代理と自己契約は、どちらも行うと「無権代理」となり本人に効果が帰属しなくなります。
無効な行為になるのではなく、「無権代理」になることに注意して下さい(不確定無効)。

自己契約

本人の代理人が相手方になるような場合です。これも代理人に都合の良い契約となるおそれがあるため、原則禁止となります。
「本人があらかじめ許諾した場合」か、「債務の履行」の場合はすることが出来ます。

権限の定めのない代理人の権限

(権限の定めのない代理人の権限)
第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一  保存行為
二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

日常家事債務の連帯責任と代理権

(日常の家事に関する債務の連帯責任)
第七百六十一条  夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

夫A、妻Bのうち、妻Bが夫Aに無断で夫名義の不動産を売却したらどうなるか。
妻Bは日常家事債務に関する基本代理権を持っていますが、その権限を越えて法律行為が行われています。
これが110条の表見代理にあたり、相手方が夫Aに対し契約の履行を主張できるでしょうか。

判例は以下のとおり。

判例:夫婦の一方が民法七六一条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法一一〇条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきである(最判昭和44年12月18日)。

判例は、相手方が夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、保護されると示しました。
しかし、不動産を売却するのが日常家事債務には当たるとは思えませんよね。
よって判例では、110条の表見代理は成立しませんでした。

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第108条(自己契約・双方代理)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成21年問27の1
正誤問題.Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ、BがAの現金をA名義の定期預金としたときは、代理権の範囲外の行為に当たり、その効果はAに帰属しない。

平成21年問27の3
正誤問題.A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属する。

平成21年問27の5
正誤問題.Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと推定される。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

代理の基礎知識まとめ
「代理の基礎知識まとめ」

「代理の基礎知識その1」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「表見代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理行為の瑕疵」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理権の濫用、不確定無効」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理権の消滅事由、復代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「無権代理と相続」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「無権代理の相手方、双方代理・自己契約、日常家事債務など」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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