「代理の基礎知識その5 消滅事由、復代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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TOP /  民法 / イラスト講座 / 代理 更新日2017年7月
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行政書士試験の民法に関する知識ですが、その他資格試験でも有用な情報です。
公務員試験、司法試験、司法書士試験、宅建など

※民法改正について(平成29年6月2日公布)
改正点なし
民法106条(法定代理人による復代理人の選任)
※条文番号が105条に変更されます。


改正点有り
民法105条(復代理人を選任した代理人の責任)削除
※下記解説は改正前の内容になります。

「代理の基礎知識その5 消滅事由、復代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識による問題は、本試験において最も重要度の高い問題です。落とすと一気に苦しくなります。

前回、「代理権の濫用、不確定無効」について解説しました。
「代理の基礎知識その4 代理権の濫用、不確定無効」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

代理権の消滅事由

法定代理の場合

(代理権の消滅事由)
第百十一条  代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一  本人の死亡
二  代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2  委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

代理権が委任によらなければ、111条の1項、2項が適用されます。
本人が破産手続開始決定、後見開始の審判を受けたとしても代理権は消滅しません。

未成年者に対し、親権者が代理権を行使する状況を思い浮かべると良いでしょう。
未成年者(本人)が破産しても、親権者(代理人)の代理権は消滅しません。

任意代理の場合

(委任の終了事由)
第六百五十三条  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一  委任者又は受任者の死亡
二  委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三  受任者が後見開始の審判を受けたこと。

任意代理の場合は、委任の終了事由が代理権の消滅事由となります。
法定代理と比べて増えた消滅原因は、「本人が破産手続開始決定を受けた場合」です。
本人が破産手続開始決定を受けた場合にも代理権が消滅します。

任意代理のケースは、行政書士が許認可の申請を受任している状況を思い浮かべると良いでしょう。
依頼人が破産したら代理権は消滅するということ。

後見開始の審判について

後見開始の審判を代理人が受けると代理権は消滅します。
これは、代理人になった後に、代理人が後見開始の審判を受けた場合の話です。
代理人に行為能力は必要ありませんので、はじめから代理人が成年被後見人の場合には消滅事由になりません。

商行為の代理権

(商行為の委任による代理権の消滅事由の特例)
第五〇六条 商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しない。

せっかくなので、商行為の代理権の消滅事由の特則を確認しておきましょう。
商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっても消滅しません。

復代理

代理人の代理人の事を復代理人といいます。
復代理人は、代理人に与えられた権限内の行為について、有効に代理行為を行うことが出来ます。
復代理人の行った代理行為の効果は本人に帰属します。また、代理人と同一の権利義務を有します。

(復代理人の権限等)
第百七条  復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2  復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

試験では、復代理人の行った代理行為の効果が代理人に帰属するか聞かる可能性がありますので注意して下さい。

「選任」と「責任」に関しては、任意代理と法定代理で考え方が違います。

任意代理人による復代理人の選任

(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条  委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

任意代理の場合、そもそも本人は「あんただからお願いしたい」と、代理人を信頼して代理権を与えています。
本人の許諾もなく、また、やむを得ない事由(病気や大けが)もなく、代理人が勝手に復代理人に仕事を任せるのは、その信頼を裏切る行為になってしまいます。

そこで、任意代理の場合は、本人の許諾を得るか、やむを得ない事由がなければ復代理人を選任することが出来ません。

任意代理人の責任

(復代理人を選任した代理人の責任)
第百五条  代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
2  代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。

任意代理における復代理人を選任した代理人は、原則として責任を負います。
例外として、本人の指名にしたがった場合に免責とする規定があり、
さらに例外として、復代理人が不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときに責任を負うという構成になっています。

法定代理人による復代理人の選任

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条  法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

法定代理の代理人は、法律により代理権を与えられた者であり、本人が信頼して代理権を与えているわけではありません。
本人の許諾を得ようとしても、本人が幼児であれば、許諾を得ることなど出来ません。

そこで、法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することが出来るのです。

法定代理人の責任

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条  法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

やむを得ない事由があるときに負う、前条第一項による責任とは、「選任および監督責任」のことです。
法定代理人は、やむを得ない事由がなければ、復代理人の行為について一切の責任を負うことになります。

法定代理人は、最低でも「選任および監督責任」を負うことになります。

復代理人の選任および解任、代理人の権限

復代理人を選任および解任するのは、代理人です。
また、代理人が復代理人を選任しても、代理人の権限はそのままです。

復代理人の金銭等の受領

復代理人が委任事務を処理するのに、金銭等を受領した場合、特別の事情のない限り本人および代理人に引き渡す義務が生じます。
このとき、本人、代理人のいずれかに引き渡せば引渡義務は消滅します。

改正民法の解説

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第105条(復代理人を選任した代理人の責任)、106条(法定代理人による復代理人の選任)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成24年問28の5
正誤問題.代理人は、法律または本人の意思に基づいて本人のために法律行為を行う者であるから、本人に無断で復代理人を選任することは認められない。

平成13年以前の過去問と同趣旨のオリジナル問題

問題1
正誤問題.任意代理人は、本人の許諾を必要とせず、その責任において復代理人を選任することができる。

問題2
正誤問題.法定代理人は、本人の許諾又はやむを得ない事由がなければ復代理人を選任することができない。

問題3
正誤問題.任意代理における代理権は、本人の死亡、代理人の保佐開始の審判、代理人の破産手続開始決定により消滅する。

問題4
正誤問題.任意代理人は、復代理人の行為について、本人に対し一切の責任を負わなければならない。

問題5
正誤問題.復代理人は本人に対し、権利義務を有しない。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

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