行政書士試験の過去問を漫画・イラストで対策

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TOP /  民法 / イラスト講座 / 意思表示 更新日2017年7月(2017年8月14日更新)
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行政書士試験の民法に関する知識ですが、その他資格試験でも有用な情報です。
公務員試験、司法試験、司法書士試験、宅建など

※民法改正について(平成29年6月2日公布)
改正点なし
民法110条(権限外の行為の表見代理)


改正点有り
民法110条(代理権授与の表示による表見代理)、112条(代理権消滅後の表見代理)
※下記解説は改正前の内容になります。

「代理の基礎知識その2 表見代理編」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識による問題は、本試験において最も重要度の高い問題です。落とすと一気に苦しくなります。

前回、「代理とは」「代理の要件」「無権代理」について解説しました。
「代理の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

表見代理

一般的に、無権代理において悪いのは、代理権がないにも関わらず代理行為を行った代理人です。
しかし、本人にも帰責性があるのであれば、本人に対して責任追及をすることが出来るようになります。
無権代理の際に、本人に対し責任追及する仕組みを「表見代理」といいます。

上記図のように、無権代理人が一文無しでは、責任追及出来てもほとんど意味がありません。
相手方は、本人に責任追求したいところです。

本人に責任追及出来るパターンがいくつかあります。
基本となるのは、以下のとおり。

109条 代理権授与の表示による表見代理
110条 権限外の行為の表見代理
112条 代理権消滅後の表見代理

上記3パターンのいずれにおいても、相手方は当該無権代理行為について善意・無過失でなければなりません。
無権代理であることを知っていたり、注意すれば分かったような場合には、相手方は保護されないということになります。

109条 代理権授与の表示による表見代理

(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

条文の「他人」とは、「無権代理人」の事です。
「第三者」とは、「相手方」の事です。

無権代理人が白紙委任状と印鑑証明書を勝手に使うケースが考えられます。
白紙委任状を交付している本人に帰責性が認められ、109条の表見代理が成立することがあります。
109条は任意代理にのみ適用されます。
相手方が悪意・有過失であることの立証責任は本人にあります。

109条の表見代理については、以下でまとめていますのでご覧いただければと思います。
細かい論点ですので、基本ではなく応用編になります。

109条の表見代理を理解するための6つのポイント

110条 権限外の行為の表見代理

(権限外の行為の表見代理)
第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

110条は、越権代理と呼ばれています。
与えられた代理権の範囲が、不動産の賃貸借契約だったのにもかかわらず、売買契約をしてしまうようなケースが考えられます。

信用ならない代理人に対し、基本代理権を与えた本人に帰責性があるということです。

112条 代理権消滅後の表見代理

(代理権消滅後の表見代理)
第百十二条  代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

代理権が委任契約の終了などにより消滅した後に、無権代理行為が行われるケースです。
代理人と相手方が頻繁に取引をしていた場合、相手方が委任契約の終了を知らずに過失なく取引をする場合が考えられます。

重畳適用

109条と110条の重畳適用

表見代理の条文をそのまま適用できないケースがあります。
まずは109条を見ましょう。

(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

代理権の範囲内と書かれています。
もし、代理権を授与表示をした上で、代理権の範囲外の行為をしたら。109条をそのまま適用することが出来なくなります。

それでは、110条が適用出来るかというと、代理権を与えたように見せただけでは基本代理権があるとは言えず110条も適用出来なくなります。

このような場合に、109条と110条を重畳的に適用することができるとした判例があります。
以下のリンクで詳しく解説しております。これも基礎編というよりは応用編になります。

民法109条と110条の重畳適用

110条と112条の重畳適用

代理権が消滅した後に、代理権の範囲を越えた契約がされたケースです。
112条の成立要件には、かつてあった代理権の範囲内である必要があります。
この場合も、110条と112条を重畳して適用するとした判例があります(最判昭32年11月29日)。

改正民法の解説

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第109条(代理権授与の表示による表見代理)について
民法改正 第112条(代理権消滅後の表見代理)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成24年問28の4
正誤問題.代理人は、与えられた権限の範囲で本人のために法律行為を行うのであるから、権限を逸脱して法律行為を行った場合には、それが有効となる余地はない。

過去問 応用編

平成15年問27の3
正誤問題.代理権限の与えられていないAが、本人の代理人である旨を記載した白紙委任状を偽造して提示し、代理人と称したので、Bがそれを信頼して契約をした場合、本人に契約上の効果が帰属することになる。

平成15年問27の4
正誤問題.本人の実印を預かっていたにすぎないAが、友人がBから借金をするのに、本人の代理人と称し、預かっていた実印を用いてBと保証契約をした場合、本人に契約上の効果が帰属することになる。

平成15年問27の5
正誤問題.本人から投資の勧誘を行う者として雇われていたにすぎないAが、本人の代理人としてBと投資契約をし投資金を持ち逃げした場合、本人に契約上の効果が帰属することになる。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

代理の基礎知識まとめ
「代理の基礎知識まとめ」

「代理の基礎知識その1」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「表見代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理行為の瑕疵」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理権の濫用、不確定無効」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「代理権の消滅事由、復代理」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「無権代理と相続」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「無権代理の相手方、双方代理・自己契約、日常家事債務など」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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