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TOP /  民法 / イラスト講座 / 制限行為能力者 更新日2017年7月(2017年8月1日民法改正について更新)
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「制限行為能力者の相手方保護の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

基礎を制する者は受験を制するということで、はじめに、制限行為能力者の相手方保護の基礎知識について解説をします。 それに対して、本知識で解くことの出来る過去問を並べます。 基本的な知識による問題は、本試験において最も重要度の高い問題です。落とすと一気に苦しくなります。

改正による影響なし
20条(制限行為能力者の相手方の催告権)、122条(取り消すことができる行為の追認)

改正による影響あり
124条(追認の要件)

制限行為能力者の相手方

民法は制限行為能力者と取引をした相手方を保護することも規定しています。
制限行為能力者が法律行為を取り消すことのできる間、取引をした相手方はいつ契約が取り消されるのか分からない不安定な状態になります。

そこで、相手方には「催告権」があります(民法20条)。
催告をすることで、不安定な状態が解消されることになるのですが、 誰を相手に催告をするかで「追認」したものとみなすか、「取り消し」したものとみなすか、2通りの結果になります。

取り消しと追認について

催告の話に入る前に、「追認」について解説します。

追認とは

取り消すことの出来る行為は、追認すると有効になります。例えば、未成年者がした契約を、親が追認するといった具合です。
追認とは、取り消し権を放棄するということであり、追認すると以後取り消すことが出来なくなります。

追認権者

追認することの出来る者(追認権者)は、取消権者と民法は規定しています(民法122条)。
具体的にいうと、「制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者」の事です。
上記の内、その代理人とは、法定代理人、任意代理人の事を指します(例:未成年者の親権者、成年後見人)。
同意をすることができる者とは、補佐人、補助人の事を指します。

それでは、未成年者で考えてみましょう。未成年者が契約を取り消すことが出来る状況において、未成年者本人が追認することが出来るでしょうか。

答えは、出来ません。

122条で追認権者は取消権者と規定していますが、124条で「追認は取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない」と規定されています。
よって未成年者であれば、「成年」に達した後にしなければ効果がないということです。

追認権者の代表例まとめ
・法定代理人(親権者、成年後見人)
・同意できる者(補佐人、補助人)

取消権者の代表例まとめ
・制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)
・法定代理人(親権者、成年後見人)
・同意できる者(補佐人、補助人)

制限行為能力者への催告

相手方は、1ヶ月以上の期間を定めて「取り消す」か、「追認する」か決めてもらうよう制限行為能力者側に請求する事が出来ます。
これを、相手方の「催告権」と言います。

期間内に、取消権者、追認権者から権限内の返答があれば、契約は返答どおりの結果となります。

返答が無かった場合どうなるのかというと、催告をした相手によって、追認したものとみなされるか、 取り消したものとみなされるのかに分かれます。

催告無返答の追認・取り消しみなしのまとめ

未成年者・成年被後見人への催告=無意味(受領能力なし)

被保佐人・被補助人への催告=取り消しみなし

法定代理人(親権者、成年後見人)、保佐人、補助人への催告=原則、追認みなし

原則と書いたのは、追認に後見監督人の同意が必要な場合など単独で追認できない場合に、後見人に催告がされたら 取り消しみなしとなるからです(20条3項)。

制限行為能力者の詐術

制限行為能力者の制度趣旨は、制限行為能力者の保護になりますが、保護に値しないような場合もあります。
それが、制限行為能力者の詐術になります。相手方を保護する規定です。

簡単に言うと、行為能力者であると信じさせるため騙すような事をした場合です。

例えば、未成年者が成年者を装い契約を結ぶような場合がそれにあたります。

根拠条文
(制限行為能力者の詐術)
第二十一条  制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

黙っていても詐術にあたる!?

判例は黙示による場合でも、「制限行為能力者の他の言動と相まって、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは詐術にあたる」と示しています。

根拠判例
最判昭和44年2月13日
無能力者の他の言動などと相俟つて、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、詐術にあたる。

改正民法の解説

以下のリンクにて解説しています。
民法改正 第124条(追認の要件)について

落としてはいけない過去問

上記解説と関係する問題を掲載します。
このような問題が落としてはいけない問題です。

平成18年問27の2
正誤問題.制限行為能力者が未成年者の場合、相手方は、未成年者本人に対して、1か月以上の期間を定めてその行為を追認するかどうかを催告することができ、その期間内に確答がなければその行為を追認したものとみなされる。

平成24年問27の4
正誤問題.成年被後見人の法律行為について、成年後見人は、これを取り消し、または追認することができるが、成年被後見人は、事理弁識能力を欠く常況にあるため、後見開始の審判が取り消されない限り、これを取り消し、または追認することはできない。

平成16年問25の2
正誤問題.被保佐人Aが、その保佐人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動産を売却した場合に、AおよびBは、AC間の売買契約を取り消すことができる。

※平成13以前の過去問は著作権の関係上掲載しておりません。

昨日は更新できなくてごめんな、明日も制限行為能力者の論点についてさらに解説するよ。

「未成年者の単独行為」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「成年後見の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「制限行為能力者の相手方保護の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

「制限行為能力者の返還義務と法定追認の基礎知識」と落としてはいけない過去問【行政書士試験】

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