教科書検定事件(法律の委任による問題編) 裁判年月日 最判平成9年8月29日
教科用図書の検定に当たって文部大臣が助言、指導の性質を有する改善意見を付することと国家賠償法上の違法
高等学校用日本史教科用図書の改訂検定に当たって文部大臣がこれに応ずることを合格の条件とする修正意見を付したことに裁量権の範囲を逸脱した違法があるとされた事例
裁判所ホームページ
判例全文のリンク先:
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52529
※ 以下マンガはフィクションであり、判例の理解のための参考としてご覧下さい。



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過去問を確認 平成26年度 問9 肢イ
問題:行政立法に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているか答えよ。法令および省庁名は当時のものである。
イ 教科書検定につき、文部大臣が、学校教育法88条 ※ の規定に基づいて、文部省令、文部省告示により、審査の内容及び基準並びに検定の施行細則である検定の手続を定めたことは、法律の委任を欠くとまではいえない。
※学校教育法88条 この法律に規定するもののほか、この法律施行のため必要な事項で、地方公共団体の機関が処理しなければならないものについては政令で、その他のものについては監督庁が、これを定める。
以下判例の要旨引用
学校教育法五一条によって高等学校に準用される同法二一条一項は、文部大臣
が検定権限を有すること、学校においては検定を経た教科書を使用する義務がある
ことを定めたものであり、検定の主体、効果を規定したものとして、本件検定の根
拠規定とみることができる。また、本件検定の審査の内容及び基準並びに検定の手
続は、文部省令、文部省告示である旧検定規則、旧検定基準に規定されているが、
教科書は、小学校、中学校、高等学校及びこれらに準ずる学校において、教科課程
の構成に応じて組織、配列された教科の主たる教材として、教授の用に供される児
童又は生徒用図書であり、これらの学校における教育が正確かつ中立・公正でなけ
ればならず、心身の発達段階に応じて定められた当該学校の目的、教育の目標、教
科の内容等に沿って行われるべきことは、教育基本法、学校教育法の関係条文から
明らかであり、これらによれば、教科書は、内容が正確かつ中立・公正であり、当
該学校の目的、教育の目標、教科の内容に適合し、内容の程度が児童、生徒の心身
の発達段階に応じたもので、児童、生徒の使用の便宜にかなうものでなければなら
ないことはおのずから明らかである。そして、旧検定規則、旧検定基準は、右の関
係法律から明らかな教科書の要件を審査の内容及び基準として具体化したものにす
ぎず、文部大臣が、学校教育法八八条の規定に基づいて、右審査の内容及び基準並
びに検定の施行細則である検定の手続を定めたことが、法律の委任を欠くとまでは
いえない。したがって、本件検定が憲法一三条、四一条、七三条六号の規定に違反
するとの論旨は、その前提を欠き、失当である(前掲平成五年三月一六日第三小法
廷判決参照)。
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