行政書士試験の過去問を漫画・イラストで対策

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問題:行政法における信頼保護に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正誤の判断をせよ。

地方公共団体が、将来にわたって継続すべき一定内容の施策を決定した後に、社会情勢の変動等が生じたとしても、決定された施策に応じた特定の者の信頼を保護すべき特段の事情がある場合には、当該地方公共団体は、信義衡平の原則によりー度なされた当該決定を変更できない。

宜野座村工場誘致事件 裁判年月日 最判昭和56年1月27日

今回は、宜野座村工場誘致事件の判例です。
地方公共団体が計画を変更したことにより損害を受けた者が、 損害賠償請求できるかといった内容になります。テーマは「行政計画」と「信義則」です。

裁判所ホームページ
判例全文のリンク先: http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56325

※以下マンガはフィクションであり、判例の理解のための参考としてご覧下さい。

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行政書士試験では行政計画の論点で、平成24年度 問8ー1で出題されています。

出題は、「地方公共団体が行政計画を変更することで、積極的な損害を受ける者がいた場合、その者の信頼を保護すべき事情があったとしても、信義則に基づき計画を変更することはできない」というものでした。

解答:誤り。補償等の措置を取れば一度なされた計画を変更することが出来る。

行政書士試験としては、ここ10年で1問出題されたに留まりますが、公務員試験で出題されていることや、行政計画以外の論点もあることから抑えておくと良いかと思われます(行政書士試験では公務員試験の問題がよく出ます)。

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パート1
・公害防止協定事件(最二小判平成21年7月10日)
・宜野座村工場誘致事件(最判昭和56年1月27日)
・伊方原発設置許可事件(平成4年10月29日)
・世田谷事件(最判平成24年12月7日)
・宝塚市パチンコ条例事件(最判平成14年7月9日)

2003年国家1種

「地方公共団体による工場誘致の計画変更は、個別的具体的勧告・勧誘を伴うものでなくとも不法行為責任が生じる」

解答:誤り。個別具体的な勧告・勧誘を伴う場合に責任が生じる。

1999年地方上級

「計画が変更されるのは当然のことで、変更されるからといって信頼が保護される余地はない」

解答:誤り。工場の施工業者の信頼を保護すべき事情があった場合は、法的保護が与えられる。

他にも以下のような問われ方が考えられます。
※問題文は簡略して書きますので、各々裁判所の判例の全文も併せてご確認下さい。

例題1

「工場誘致に関して個別具体的な勧告勧誘があれば、当該施策の継続が相当長期に渡らなくとも、勧告等に動機づけられてその準備活動に入つた者に対し法的保護が与えられなければならない。」

解答:誤り。相当長期に渡る当該施策の継続を前提として、はじめてこれに投入する資金又は労力に相応する 効果を生じうる性質のものである場合に法的保護が与えられる。

例題2

「工場誘致の施策の維持を内容とする契約が締結されたものとは認められない場合、その施策の変更するにあたってはかかる信頼に対して法的保護が与えられることはない」

解答:誤り。密接な交渉を持つに至つた当事者間の関係を規律すべき 信義衡平の原則に照らし、その施策の変更にあたつてはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければならない。

例題3

「工場誘致の施策の変更が、社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被る場合に、地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむをえない客観的事情があったとしても、不法行為の責任を免れることはできない」

解答:誤り。やむを得ない客観的な事情がなるなら話が違う。

例題4

「地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の債務不履行責任を生ぜしめるものといわなければならない」

解答:誤り。債務不履行責任ではなく不法行為責任である。

以下判例の要旨引用

(省略)
二 そこで、原審の右判断の当否について検討するのに、地方公共団体の施策を 住民の意思に基づいて行うべきものとするいわゆる住民自治の原則は地方公共団体の組織及び運営に関する基本原則であり、また、地方公共団体のような行政主体が 一定内容の将来にわたつて継続すべき施策を決定した場合でも、右施策が社会情勢 の変動等に伴つて変更されることがあることはもとより当然であつて、地方公共団 体は原則として右決定に拘束されるものではない。しかし、右決定が、単に一定内 容の継続的な施策を定めるにとどまらず、特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘を伴うものであり、 かつ、その活動が相当長期にわたる当該施策の継続を前提としてはじめてこれに投 入する資金又は労力に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、右特定 の者は、右施策が右活動の基盤として維持されるものと信頼し、これを前提として 右の活動ないしその準備活動に入るのが通常である。このような状況のもとでは、 たとえ右勧告ないし勧誘に基づいてその者と当該地方公共団体との間に右施策の維 持を内容とする契約が締結されたものとは認められない場合であつても、右のよう に密接な交渉を持つに至つた当事者間の関係を規律すべき信義衡平の原則に照らし、 その施策の変更にあたつてはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければなら ないものというべきである。すなわち、右施策が変更されることにより、前記の勧 告等に動機づけられて前記のような活動に入つた者がその信頼に反して所期の活動 を妨げられ、社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被る場合に、 地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を 変更することは、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に 形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不 法行為責任を生ぜしめるものといわなければならない。そして、前記住民自治の原 - 3 - 則も、地方公共団体が住民の意思に基づいて行動する場合にはその行動になんらの 法的責任も伴わないということを意味するものではないから、地方公共団体の施策 決定の基盤をなす政治情勢の変化をもつてただちに前記のやむをえない客観的事情 にあたるものとし、前記のような相手方の信頼を保護しないことが許されるものと 解すべきではない。  これを本件についてみるのに、前記事実関係に照らせば、D前村長は、村議会の 賛成のもとに上告人に対し本件工場建設に全面的に協力することを言明したのみな らず、その後退任までの二年近くの間終始一貫して本件工場の建設を促し、これに 積極的に協力していたものであり、上告人は、これによつて右工場の建設及び操業 開始につき被上告人の協力を得られるものと信じ、工場敷地の確保・整備、機械設 備の発注等を行つたものであつて、右は被上告人においても予想し、期待するとこ ろであつたといわなければならない。また、本件工場の建設が相当長期にわたる操 業を予定して行われ、少なからぬ資金の投入を伴うものであることは、その性質上 明らかである。このような状況のもとにおいて、被上告人の協力拒否により、本件 工場の建設がこれに着手したばかりの段階で不可能となつたのであるから、その結 果として上告人に多額の積極的損害が生じたとすれば、右協力拒否がやむをえない 客観的事情に基づくものであるか、又は右損害を解消せしめるようななんらかの措 置が講じられるのでない限り、右協力拒否は上告人に対する違法な加害行為たるこ とを免れず、被上告人に対しこれと相当因果関係に立つ損害としての積極的損害の 賠償を求める上告人の請求は正当として認容すべきものといわなければならない。

(省略)

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