【民法改正の絵本】イケメンと美少女による選択債権の巻【410条】

むかしむかし、あるところに

男がいました

男は、湖のそばで木を切っていました

らんらんらん♪
しまった、手がすべったぁ!

持っていた斧を湖に落としてしまいました

どうしよう、これじゃ仕事にならない・・・

すると、湖の中からヘルメスという女神が出てきました

ヘルメスは、男にピカピカに光る金の斧と銀の斧を見せました

あなたが落としたのは、この金の斧?それとも銀の斧?
どちらか一方をあげましょう・・

えっと・・金の方です

・・・選択権は、私にあるから

え?

だから、金の斧か銀の斧か選択する権利は、給付する債務を負う私にあるって言ってるの!あんたバカぁ!

えっと・・・・

もう、しょうがないわね!
分かったわ、はい!
金の斧あげ、あぁぁぁぁぁぁ!

ヘルメスは、金の斧を渡そうとしたときに誤って斧を湖に落としてしまいました

これは事故よ!
はい、残った銀の斧あげる

え~、俺、銀の斧は嫌だよ。金の斧くれよ!

果たして男は、給付が不能となった金の斧を選択することができるのか?

答えは、、、

選択できません!

ちくしょう!!

やったわ!

解説

選択債権に関するお話しでした。

これまで桃太郎で話を作っていましたが、しばらくは、このイケメンと美少女に頑張ってもらおうと思っています。

選択債権とは、数個の給付を債権の目的としており、選択により定まる債権のことです。

金の斧、銀の斧のどちらかを給付するとの贈与契約が題材です。

選択権がどちらにあるかは、当事者に合意があれば合意に従い、法律の規定があれば法律の規定に従います。

合意も法律の規定もない場合は、「債務者」が選択権者となります(406条)。

給付することが不能となった場合の処理についてですが、

改正により、選択権者の過失により給付不能となったケースでは、残った給付に特定することになりました。選択債権における改正論点対策としては、この1点を明確にしましょう。

絵本では、選択権を有する女神(斧を給付する債務者)の過失により金の斧を給付することが出来なくなり、給付する債務は銀の斧に特定します。

これは、選択権を有する者にとって有利な改正になります。

もし、特定しないことになれば、男は金の斧を給付してくれと選択することができ、女神は債務不履行責任を負うことになってしまいます。

以下参考文献

改正後条文

(不能による選択債権の特定)
第四百十条  債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものであるときは、債権は、その残存するものについて存在する。

改正前条文

(不能による選択債権の特定)
第四百十条 債権の目的である給付の中に、初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは、債権は、その残存するものについて存在する。
2 選択権を有しない当事者の過失によって給付が不能となったときは、前項の規定は、適用しない。

平成28年度行政書士試験に合格。平成29年度から本格的に司法書士試験の勉強を開始。平成31年度司法書士試験では、午前午後択一基準点突破。 令和2年司法書士試験へ向け勉強中。 趣味はNBA観戦、格ゲー観戦。
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