【民法改正の絵本】目的物の契約不適合の巻【415、541、542、562、563、564条】

むかしむかしあるところに、
おじいさんと、おばあさんが住んでいました・・・

おじいさん、おばあさん、鬼退治に行くから、あげたら必ず仲間になってくれるというキビ団子をちょうだい。

分かった。これを持って行きなさい。
代金は10万円だよ。

桃太郎は、鬼退治の道中、犬に出会った。

よし、キビ団子をあげて鬼退治の仲間にしよう。

桃太郎は、箱からキビ団子を取り出した・・

あれ?これキビ団子じゃなくて、みたらし団子じゃないか?種類が違うな・・
まあいい!仲間になればそれでいい!

まずっ!
仲間になれないワン!

品質にも問題あり!!
あのジジイ!!どうしてくれるんだ!

【設定】
・買主(桃太郎)に帰責事由はない。

引き渡された目的物が契約の内容に適合しない!
桃太郎(買主)がおじいさん(売主)に対して、売買契約の不適合責任として請求できることは何か?

答えは、、、

追完請求(562条)、代金減額請求(563条)をすることができるよ!
また、債務不履行の一般原則に基づいて、損害賠償請求(415条、564条)、契約解除(541条、542条、564条)をすることができるよ!

それでは、桃太郎(買主)が行使できる権利の期間制限は?

答えは、、、

種類・品質に関する不適合の場合、買主は契約不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと権利を行使できなくなるよ(566条)。

今回は種類・品質に関する不適合だから俺が不適合知った時から1年以内に通知しないといけないのか!

それでは、期間制限に例外はあるか?

答えは、、、

売主に悪意または重過失がある場合、上記の期間制限による失権は生じないよ(566条)。数量・権利の不適合の場合は、そもそも期間制限がないよ。

ワシが、キビ団子の中身が、実はみたらし団子で、あげても仲間になる品質を有していないことを知っておったか、重過失ありの場合か・・

解説

売買契約の目的物の不適合責任についてのお話でした。

改正前の民法では、売買契約の担保責任について、561条〜570条で定めていました。

改正により条文の内容がかなり変わっています。ですので、売買契約の不適合責任(担保責任)については、1から学習をし直す必要があります。

まず、売主は、特定物売買、不特定物売買と関係なく、契約の内容に適合する目的物や権利を供与すべき義務を負います。この義務に違反した場合、債務不履行責任を負うことになります。

売主が契約の内容に適合しない給付をした場合、売主は債務不履行責任を負うこととなり、「損害賠償請求(415条)」「契約の解除(541条、542条)」は、債務不履行の一般原則に基づき請求することができます。
損害賠償請求は債権法総論の規定、契約の解除は債権法各論の契約総論の規定になります。

そして、契約不適合責任は、債務不履行の一般原則に対する特則になります。「追完請求(562条)」「代金減額請求(563条)」が特則に当たります。契約不適合責任は、債権法各論の契約各論の売買契約の規定になります。

契約不適合には、「目的物の契約不適合」と「権利に関する契約不適合」があります。

今回は、目的物の契約不適合のお話でした。

目的物の契約不適合とは、引渡された目的物の種類・品質・数量が契約内容に適合しない場合のことで、562条、563条に規定されています。

具体的に買主が売主に対して請求できる内容に関しては以下の条文をご覧ください。

参考文献はこちら。

(買主の追完請求権)
第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。

(買主の代金減額請求権)
第五百六十三条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、 その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をす ることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主 が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受け る見込みがないことが明らかであるとき。
3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。

(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第五百六十四条 前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。

(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び 取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

(催告による解除)
第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、 この限りでない。

(催告によらない解除)
第五百四十二条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、 直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に 履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
2 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約 の一部の解除をすることができる。
一 債務の一部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

平成28年度行政書士試験に合格。平成29年度から本格的に司法書士試験の勉強を開始。平成31年度司法書士試験では、午前午後択一基準点突破。 令和2年司法書士試験へ向け勉強中。 趣味はNBA観戦、格ゲー観戦。
Scroll to top