【民法改正の絵本】契約の解除の巻【541、542、543条】

むかしむかし、あるところに・・
桃太郎という若者がいました

桃太郎は、鬼退治へ行くことを決めました

鬼退治なんて危険だ、やめなさい。

大丈夫、まかせて!
そうだ、おじいさん、おばあさん、
日本一のキビ団子を作ってくれ !

・・・分かった!
日本一のキビ団子を作ってやる!

こうして、キビ団子を作ろうとしたところ・・
おじいさんとおばあさんの家に落雷が!
家は落雷により焼失してしまいました。

困ったわ、キビ団子作成マシーンまで焼けてしまったわ。
マシーンを修理しないとキビ団子が作れないわ。
桃太郎や、修理が終わるまで待っておくれ 。

え?どのくらいかかるの?

うーん・・
あれ一点物の特注品だから、
最低でも半年はかかるかしら。

あ、隣の佐藤さんもキビ団子作れるみたいだから
佐藤さんから購入するね。
契約は解除ということで 。

え?なんだい?
私が何か悪いことでもしたかい!
解除なんて言わないで、まってておくれよ!

【改正ポイント!】
キビ団子を作れなくなったのは落雷が原因で、
おばあさんに落ち度はないか・・
しかし半年も待ってられないしなぁ。

キビ団子の売買契約を解除するには、おばあさん(債務者)に帰責事由がなければすることが出来ないのか!?

※キビ団子の売買契約は、契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして履行不能となったものとします。

答えは、、、

民法改正により、契約解除の要件として、債務者の帰責事由は「不要」となったよ!

まーじか!

債務者が債務を履行しない場合において、債権者が取りうる手段は主に以下の3つに分かれます。

1.履行の強制

2.損害賠償の請求

3.契約の解除

本日は、契約の解除について解説致します。

改正前の民法において契約を解除するには、債務者に帰責事由がなければ認められませんでした。

債務者に帰責事由がない場合、契約を解除することが出来ないとの定めは、条文上は改正前543条(履行不能による解除権)にしか記載がありませんが、伝統的学説では1、解除一般について債務者の帰責事由が必要であると解されています。

1 法務省HPの以下PDFデータ参照
http://www.moj.go.jp/content/001255637.pdf

改正前の契約解除は、「債務者に対する責任追及」と位置付けられていました。

改正により契約解除は、「債権者を契約の拘束力から解放すること」と位置付けられることになりました。

本改正のより契約解除の要件として、債務者の帰責事由は不要となりました。

債務者の帰責事由は不要となりましたが、新たに契約を解除できないケースも定められています。

・債務不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるとき(改正後541条)

・債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるとき(改正後543条)

今回の話では、俺に帰責事由があると解除できないってことだね。

それと、無催告解除の要件が明文化されました(改正後542条)。

以下、参考文献。

改正後の条文

(催告による解除)
第五百四十一条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

(催告によらない解除)
第五百四十二条  次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四   契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五   前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
2   次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。
一   債務の一部の履行が不能であるとき。
二   債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。


(債権者の責めに帰すべき事由による場合)
第五百四十三条  債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。

改正前の条文

(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

(定期行為の履行遅滞による解除権)
第五百四十二条 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、前条の催告をすることなく、直ちにその契約の解除をすることができる。

(履行不能による解除権)
第五百四十三条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

平成28年度行政書士試験に合格。平成29年度から本格的に司法書士試験の勉強を開始。平成31年度司法書士試験では、午前午後択一基準点突破。 令和2年司法書士試験へ向け勉強中。 趣味はNBA観戦、格ゲー観戦。
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