【民法改正の絵本】第三者による詐欺【第96条】

むかしむかし、あるところに、
おじいさんと、おばあさんが住んでいました。

おじいさんは、山へ芝刈りに行かず、
きび団子を販売をしていました。

ある日のこと・・
ずいぶん怒ったお客さんが来店しました。

先日、きび団子を買ったお客さんじゃないですか。どうされました?

おじいさんが事情を聞いたところ・・・

客「この店のきび団子は、がん予防に抜群の効果があると聞いていたから買ったのに、嘘らしいじゃないか!」

え?うちのきび団子に、そんな効果はありませんよ・・
がん予防に抜群の効果がある? いったい誰がそんなことを・・

客 「桃太郎ファミリーの猿だよ」

「猿のやつめ、ファミリーから追放だ!」

(詐欺又は強迫)
 第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、 相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。 
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

相手方=おじいさん

第三者=猿

客は、猿が詐欺を働いていることを、おじいさんが「知っていた」又は「知ることができた」ことを立証すれば、96条2項の規定により意思表示を取消すことができます。

解説

民法第96条2項の改正

第三者による詐欺の規定ですが、改正前は、相手方が事実を「知っていたときに限り」取り消すことができると規定されていました。
改正により「知ることができたとき」も取り消すことができることになります。

心裡留保の表意者と比較して、第三者による詐欺の表意者を保護する要件が重いのは、不均衡であることから、知ることができたときにも取り消すことが出来るよう、均衡が図られました。

ちなみに、第3項も改正されています。
改正前は、「善意の第三者に対抗することができない」だったのが、改正後は、「善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」となります。改正前の条文には、無過失でなければならないと書かれていませんが、改正間から通説により無過失も要件とされていましたので、かかる通説の明文化となります。

絵本の裏設定

絵本の最後では、おじいさんは猿に対してキレていますが、実はキレている振りをしているだけかもしれません。

売り切れないほどのきび団子を作ってしまい、困ったおじいさんが、猿を利用していたということも考えられます。

猿は、桃太郎ファミリーですので、おじいさんと仕事上の接点が多く、猿がガン予防に効くと言い回っている事を「知っていた」又は「知ることができた」かも知れません。

そんな事を考えながら、おじいさんの表情を見ても面白いかなと思います。

以下、参考文献。

平成28年度行政書士試験に合格。平成29年度から本格的に司法書士試験の勉強を開始。平成31年度司法書士試験では、午前午後択一基準点突破。 令和2年司法書士試験へ向け勉強中。 趣味はNBA観戦、格ゲー観戦。
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