民法新旧条文

2020年4月1日に施行される民法の条文の新旧対象用のページです。

民法改正の学習にご活用ください。

改正点は、以下のように色分けや下線処理をしています。

新設、追加:青文字

変更   :赤文字(新旧を比較)

削除   :下線

※大幅な改正がある一部の条文は、色分け等をしていません。

本ページは、以下の情報を参考に作成しました。

「法務省ホームページから民法新旧対照表」(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html

条文の目次

以下、新法の項目のみ列挙。

第2節第3条の2(意思能力)

第13条(保佐人の同意を要する行為等

第20条(制限行為能力者の相手方の催告権

第87条(主物及び従物)

第90条(公序良俗)

第93条(心裡留保)

第95条(錯誤)

第96条(詐欺又は強迫)

第97条(意思表示の効力発生時期等)

第98条の2(意思表示の受領能力)

第101条(代理行為の瑕疵)

第102条(代理人の行為能力)

第105条(法定代理人による復代理人の選任)

第106条(復代理人の権限等)

第107条(代理権の濫用)

第108条(自己契約及び双方代理等)

第109条(代理権授与の表示による表見代理等)

第110条(権限外の行為の表見代理)

第112条(代理権消滅後の表見代理等)

第117条(無権代理人の責任)

第120条(取消権者)

第121条(取消しの効果)

第121条の2(原状回復の義務)

第122条(取り消すことができる行為の追認)

第124条(追認の要件)

第125条(法定追認)

第130条(条件の成就の妨害等)

第145条(時効の援用)

第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第148条(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)

第149条(仮差押え等による時効の完成猶予)

第150条(催告による時効の完成猶予)

第151条(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)

第152条(承認による時効の更新)

第153条(時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲)

第154条

第158条(未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予)

第159条(夫婦間の権利の時効の完成猶予)

第160条(相続財産に関する時効の完成猶予)

第161条(天災等による時効の完成猶予)

第166条(債権等の消滅時効)

第167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)

第168条(定期金債権の消滅時効)

第169条(判決で確定した権利の消滅時効)

第284条

第291条(地役権の消滅時効)

第292条

第316条

第359条(設定行為に別段の定めがある場合等)

第364条(債権を目的とする質権の対抗要件)

第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)

第398条の2(根抵当権)

第398条の7(根抵当権の被担保債権の譲渡等)


新設 第3条の2

第二節 意思能力

第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

改正ワンポイント

 意思能力の規定を新設。判例・通説の明文化。


新 第13条

(保佐人の同意を要する行為等)

第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

一 元本を領収し、又は利用すること。

二 借財又は保証をすること。

三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為を すること。

四 訴訟行為をすること。

五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条 第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。

九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。

十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。

2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

旧 第13条

(保佐人の同意を要する行為等)

第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

一 元本を領収し、又は利用すること。

二 借財又は保証をすること。

三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

四 訴訟行為をすること。

五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。

九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。

2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

改正ワンポイント

 新第13条第1項に第10号を新設。

 新第102条と新第120条と関係有。


新 第20条

(制限行為能力者の相手方の催告権)

第二十条 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一 箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認 するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、 その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規 定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

3 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備し た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた 被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべ き旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人 がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

旧 第20条

(制限行為能力者の相手方の催告権)

第二十条 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

3 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

改正ワンポイント

 旧第20条第1項の「(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)」を削除。新第13条第1項第10号に定義されたため。


新 第87条

(主物及び従物)

第八十七条 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する 他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。

2 従物は、主物の処分に従う。

旧 第86条

(不動産及び動産)

第八十六条 土地及びその定着物は、不動産とする。

2 不動産以外の物は、すべて動産とする。

3 無記名債権は、動産とみなす。

改正ワンポイント

 旧第86条第1項第3号の規定を削除。

 新第520条の2から有価証券の規定が新設されたため。


新 第90条

(公序良俗)

第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

旧 第90条

(公序良俗)

第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

改正ワンポイント

 旧第90条第1項の「事項を目的とする」を削除。


新 第93条

(心裡留保)

第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

旧 第93条

(心裡留保)

第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

改正ワンポイント

 旧第93条第1項ただし書「真意を知り」を、新第93条第1項のただし書で「表意者の真意ではないことを知り」に変更。

 新第93条第2項に第三者保護規定を新設。94条2項を類推適用していた判例・通説の明文化。


新 第95条

(錯誤)

第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤

二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。

3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。

一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。

二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

旧 第95条

(錯誤)

第九十五条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

改正ワンポイント

 錯誤の規定は、大幅に改正された。

 新第95条第1項により、錯誤の法律効果は「無効」から「取消」に変更。

 旧第95条第1項の「法律行為の要素」を、新第95条第1項では「その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なもの」と規定。

 新第95条第1項第2号は、「動機の錯誤に関する判例」を「法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」と明文化。 

 新第95条第2項では、動機の錯誤に関する判例の明文化。

 新第95条第3項は、旧第95条第1項ただし書と同趣旨の規定。新第95条第3項各号では、表意者に重過失があっても取り消すことのできる場合が規定。

 新第95条第4項では、第三者保護規定が新設。


新 第96条

(詐欺又は強迫)

第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、 相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

旧 第96条

(詐欺又は強迫)

第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。

改正ワンポイント

 旧第96条第2項の第三者が詐欺をした場合の「相手方がその事実を知っていたときに限り」を、新第96条第2項「相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り」に変更。新第96条第2項は、表意者保護を強める実質的な要件改正となる。

 旧第96条第3項の第三者保護規定「善意の第三者」を、新第96条第3項で「善意でかつ過失がない第三者」に変更。新第96条第3項は、通説の明文化。


新 第97条

(意思表示の効力発生時期等)

第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。

 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力の喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

旧 第97条

(隔地者に対する意思表示)

第九十七条 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

 隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

改正ワンポイント

旧第97条第1項の「隔地者に対する」を削除。

新第97条に第2項を新設。

旧第97条第2項「行為能力を喪失したとき」を、新第97条第3項で「行為能力の制限を受けた時に」に変更。また、新たに「意思能力を喪失し」という文言を追加。


新 第98条の2

(意思表示の受領能力)

第九十八条の二 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、次に掲げる者がその意思表示を知った後は、この限りでない。

一 相手方の法定代理人

二 意思能力を回復し、又は行為能力者となった相手方

旧 第98条の2

(意思表示の受領能力)

第九十八条の二 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。

改正ワンポイント

新第98条の2では、「意思能力を有しなかったとき」という文言を追加。

新第98条の21項第2号に、相手方が意思能力を回復し又は行為能力者となった場合の規定を追加。


新 第101条

(代理行為の瑕疵)

第百一条 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、 詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、 本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

旧 第101条

(代理行為の瑕疵)

第百一条 意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

 特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

改正ワンポイント

新第101条第1項に「代理人が相手方に対してした」、「錯誤」の文言追加。

新第101条第2項を新設。

旧第101条第2項は、「場合において」、「本人の指図に従って」の文言を削除し、新第101条第3項へ移行。

本改正により、代理人が相手方に詐欺をした場合、101条を適用せず96条を適用することになる。


新 第102条

(代理人の行為能力)

第百二条 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。

旧 第102条

(代理人の行為能力)

第百二条 代理人は、行為能力者であることを要しない。

改正ワンポイント

大幅な改正。旧第102条では、行為能力者であることを要しないとだけ定めていた。新第102条では、要件効果を明文化。

新第13条と新第120条と関係有。


削除 第105条

(復代理人を選任した代理人の責任)

第百五条 代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。

2 代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。

改正ワンポイント

旧第105条を削除。削除により任意代理人が復代理人を選任した場合の責任は、本人と代理人間の代理権授与契約に対し「債務不履行の規定」で処理する。


新 第105条

(法定代理人による復代理人の選任)

第百五条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

旧 第106条

(法定代理人による復代理人の選任)

第百六条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

改正ワンポイント

旧第105条が削除されたことにより条文番号がずれている。内容に変更はない。


新 第106条

(復代理人の権限等)

第百六条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

旧 第107条

(復代理人の権限等)

第百七条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

改正ワンポイント

106条第1項に、「その権限の範囲内において」の文言追加。

旧第105条が削除されたことにより条文番号がずれている。


新設 第107条

(代理権の濫用)

第百七条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。

改正ワンポイント

新第107条に代理権の濫用の規定を新設。判例の明文化。旧法時代は、心裡留保の規定を類推適用していた。

旧法の効果は、無効であったが、新法の効果は、無権代理となることに注意。


新 第108条

(自己契約及び双方代理等)

第百八条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

旧 第108条

(自己契約及び双方代理)

第百八条 同一の法律行為について、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

改正ワンポイント

旧第108条第1項の「代理人となり」を、新第108条第1項で「代理人として」に変更。

旧第108条第1項の「代理人となることはできない」を新第108条第1項で「代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。」に変更。

新第108条第2項を新設。


新 第109条

(代理権授与の表示による表見代理等)

第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

2 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

旧 第109条

(代理権授与の表示による表見代理)

第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

改正ワンポイント

新第109条第2項を新設。旧法では、代理権の範囲外の場合の規定がなかったことから、旧第109条との重畳適用で処理していた。新第109条第2項で明文化した。


新 第110条

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

旧 第110条

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

改正ポイント

新第110条に「第一項」の文言追加。


新 第112条

(代理権消滅後の表見代理等)

第百十二条 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

2 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

旧 第112条

(代理権消滅後の表見代理)

第百十二条 代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

改正ポイント

新第112条第1項は、大幅に文言を変更。新112条第1項では、善意の対象が「代理権が消滅した事実」と具体的に規定された。

新第112条第2項を新設。


新 第117条

(無権代理人の責任)

第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。

 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。

 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

旧 第117条

(無権代理人の責任)

第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

改正ワンポイント

旧第117条第1項の「自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、」を、新117条第1項で「自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、」に変更。

旧第117条第2項の規定は、新第117条第2項第1号から第3号に移行。

新第117条第2項第2号に「ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。」の文言を追加。


新 第120条

(取消権者)

第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

旧 第120条

(取消権者)

第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

2 詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

改正ワンポイント

新第120条第1項に「(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)」の文言を追加。

新第120条第2項に「錯誤」の文言を追加。

新第13条と新第102条と関係有。


新 第121条

(取消しの効果)

第百二十一条

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。

旧 第121条

(取消しの効果)

第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

改正ワンポイント

旧第121条のただし書を削除。削除されたただし書は、8121条の23項に規定。


新設 第121条の2

(原状回復の義務)

第百二十一条の二 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、 相手方を原状に復させる義務を負う。

2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

3 第一項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。

改正ワンポイント

原状回復義務の規定が新設。本改正により、意思表示・法律行為が無効又は取り消された場合、第703条の不当利得ではなく、新第121条の2に基づき原状回復義務が生じることとなる。


新 第122条

(取り消すことができる行為の追認)

第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。

旧 第122条

(取り消すことができる行為の追認)

第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。

改正ワンポイント

旧第122条ただし書を削除。


新 第124条

(追認の要件)

第百二十四条 取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。

2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。

 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。

二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。

旧 第124条

(追認の要件)

第百二十四条 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。

2 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。

 前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

改正ワンポイント

新第124条第1項に、「取り消すことができる行為の」、「かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、」の文言追加。

旧第124条第2項は削除。

旧第124条第3項の規定は、新第124条第2項第1号に移行。

新第124条第2項第2号を新設。

新第124条は、通説の明文化。


新 第125条

(法定追認)

第百二十五条 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

一 全部又は一部の履行

二 履行の請求

三 更改

四 担保の供与

五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡

六 強制執行

旧 第125条

(法定追認)

第百二十五条 前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

一 全部又は一部の履行

二 履行の請求

三 更改

四 担保の供与

五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡

六 強制執行

改正ワンポイント

旧第125条第1項の「前条の規定により」を削除。


新 第130条

(条件の成就の妨害等)

第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。

2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

旧 第130条

(条件の成就の妨害)

第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。

改正ポイント

新第130条第2項を新設。判例の明文化。


新 第145条

(時効の援用)

第百四十五条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、 第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

旧 第145条

(時効の援用)

第百四十五条 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

改正ワンポイント

新第145条第1項に「(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、 第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)」の文言追加。


新 第147条

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一 裁判上の請求

二 支払督促

三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法 律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停

四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

旧 第147条

(時効の中断事由)

第百四十七条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。

一 請求

二 差押え、仮差押え又は仮処分

三 承認

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第148条

(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十八条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立て の取下げ又は法律の規定に従わないことによ る取消しによってその事由が終了 した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、 完成しない。

一 強制執行

二 担保権の実行

三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の 実行としての競売の例による競売

四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続

2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たに その進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによ る取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。

旧 第148条

(時効の中断の効力が及ぶ者の範囲)

第百四十八条 前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

改正ポイント

大幅に改正。


新 第149条

(仮差押え等による時効の完成猶予)

第百四十九条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

一 仮差押え

二 仮処分

旧 第149条

(裁判上の請求)

第百四十九条 裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第150条

(催告による時効の完成猶予)

第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、 時効は、完成しない。

2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。

旧 第150条

(支払督促)

第百五十条 支払督促は、債権者が民事訴訟法第三百九十二条に規定する期間内に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第151条

(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)

第百五十一条 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。

一 その合意があった時から一年を経過した時

二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。) を定めたときは、その期間を経過した時

三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の 通知が書面 でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時

2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の 合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、 時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を 超えることができない。

3 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同 項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完 成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。

4 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であっ て、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によっ てされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

5 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。

旧 第151条

(和解及び調停の申立て)

第百五十一条 和解の申立て又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、一箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第152条

(承認による時効の更新)

第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制 限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

旧 第152条

(破産手続参加等)

第百五十二条 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅な改正。


新 第153条

(時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲)

第百五十三条 第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

2 第百四十九条から第百五十一条までの規定による時効の完成猶予は、完成猶予の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

3 前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

旧 第153条

(催告)

第百五十三条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第154条

第百五十四条 第百四十八条第一項各号又は第百四十九条各号に掲げる事由 に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をし た後でなければ、第百四十八条又は第百四十九条の規定による時効の完成猶予 又は更新の効力を生じない。

旧 第154条

(差押え、仮差押え及び仮処分)

第百五十四条 差押え、仮差押え及び仮処分は、権利者の請求により又は法律の規定に従わないことにより取り消されたときは、時効の中断の効力を生じない。

改正ワンポイント

大幅に改正。


削除 第155条

第百五十五条 差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

削除 第156条

(承認)

第百五十六条 時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。

削除 第157条

(中断後の時効の進行)

第百五十七条 中断した時効は、その中断の事由が終了した時から、新たにその進行を始める。

2 裁判上の請求によって中断した時効は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始める。


新 第158条

(未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予

第百五十八条 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。

2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定 代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

旧 第158条

(未成年者又は成年被後見人と時効の停止

第百五十八条 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。

2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

改正ワンポイント

条文の項目を「停止」から「完成猶予」に変更。


新 第159条

(夫婦間の権利の時効の完成猶予

第百五十九条 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の 解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

旧 第159条

(夫婦間の権利の時効の停止

第百五十九条 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

改正ワンポイント

条文の項目を「停止」から「完成猶予」に変更。


新 第160条

(相続財産に関する時効の完成猶予

第百六十条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された 時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効 は、完成しない。

旧 第160条

(相続財産に関する時効の停止

第百六十条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

改正ワンポイント

条文の項目を「停止」から「完成猶予」に変更。


新 第161条

(天災等による時効の完成猶予

第百六十一条 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのでき ない事変のため第百四十七条第一項各号又は第百四十八条第一項各号に掲げる 事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇 月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

旧 第161条

(天災等による時効の停止

第百六十一条 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から二週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

改正ワンポイント

条文の項目を「停止」から「完成猶予」に変更。


新 第166条

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

旧 第166条

(消滅時効の進行等)

第百六十六条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

 前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

改正ワンポイント

新第166条は大幅に改正。

新第166条第1項第1号を新設。権利行使できることを知った時(主観的起算点)から5年という事項期間が加わった。

新第166条第1項第2号を新設。起算点および期間は、権利行使できる時(客観的起算点)から10年と旧法と同様。

新第1662項を新設。


新 第167条

(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)

第百六十七条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるの は、「二十年間」とする。

旧 第167条

(債権等の消滅時効)

第百六十七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。

2 債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第168条

(定期金債権の消滅時効)

第百六十八条 定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の 給付を目的とする各 債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。

二 前号に規定する各債権を行使することができる時から二十年間行使しな いとき。

2 定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

旧 第168条

(定期金債権の消滅時効)

第百六十八条 定期金の債権は、第一回の弁済期から二十年間行使しないときは、消滅する。最後の弁済期から十年間行使しないときも、同様とする。

2 定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

改正ワンポイント

大幅に改正。


新 第169条

(判決で確定した権利の消滅時効)

第百六十九条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確 定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、そ の時効期間は、十年とする。

2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用 しない。

旧 第169条

(定期給付債権の短期消滅時効)

第百六十九条 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

改正ワンポイント

大幅に改正。


削除 第170条

(三年の短期消滅時効)

第百七十条 次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅する。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算する。

一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権

二 工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権

削除 第171条

第百七十一条 弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務を執行した時から三年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる

削除 第172条

(二年の短期消滅時効)

第百七十二条 弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないときは、消滅する。

2 前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。

削除 第173条

第百七十三条 次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。

一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権

二 自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権

三 学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権

削除 第174条

(一年の短期消滅時効)

第百七十四条 次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。

一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権

二 自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権

三 運送賃に係る債権

四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権

五 動産の損料に係る債権

削除 第174条の2

(判決で確定した権利の消滅時効)

第百七十四条の二 確定判決によって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。

2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

改正ワンポイント

旧第170条から旧第174条に定められていた短期消滅事項の規定はすべて削除。


新 第284条

第二百八十四条 土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したとき は、他の共有者も、これを取得する。

2 共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなけ れば、その効力を生じない。

3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。

旧 第284条

第二百八十四条 土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。

2 共有者に対する時効の中断は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。

3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の停止の原因があっても、時効は、各共有者のために進行する。

改正ワンポイント

旧第284条第2項の「中断」を新第284条第2項で「更新」に変更。

旧第284条第3項の「停止」を新第284条第3項で「完成猶予」に変更。


新 第291条

(地役権の消滅時効)

第二百九十一条 第百六十六条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。

旧 第291条

(地役権の消滅時効)

第二百九十一条 第百六十七条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。

改正ワンポイント

旧第291条の「第百六十七条第二項」を新第291条で「第百六十六条第二項」に変更。


新 第292条

第二百九十二条 要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の完成猶予又は更新があるときは、その完成猶予又は更新は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。

旧 第292条

第二百九十二条 要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。

改正ワンポイント

旧第292条の「中断」「停止」を「更新」「完成猶予」に変更。


新 第316条

第三百十六条 賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

旧 第316条

第三百十六条 賃貸人は、敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

改正ワンポイント

新第316条に「第六百二十二条の二第一項に規定する」の文言追加。


新 第359条

(設定行為に別段の定めがある場合等)

第三百五十九条 前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担 保不動産収益執行(民事執行法 第百八十条第二号 に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。

旧 第359条

(設定行為に別段の定めがある場合等)

第三百五十九条 前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。

改正ワンポイント

旧第359条の「(昭和五十四年法律第四号)」を削除。


新 第364条

債権を目的とする質権の対抗要件)

第三百六十四条 債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

旧 第364条

指名債権を目的とする質権の対抗要件)

第三百六十四条 指名債権を質権の目的としたときは、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

改正ワンポイント

364条の「指名債権を質権の目的としたときは」を、新364条で「債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は」に変更。


削除 第365条

(指図債権を目的とする質権の対抗要件)

第三百六十五条 指図債権を質権の目的としたときは、その証書に質権の設定の裏書をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

改正ワンポイント

旧第365条の規定は削除。


新 第370条

(抵当権の効力の及ぶ範囲)

第三百七十条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。

旧 第370条

(抵当権の効力の及ぶ範囲)

第三百七十条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。

改正ワンポイント

旧第370条の「第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、」を、新第370条で「債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、」に変更。


新 第398条の2

(根抵当権)

第三百九十八条の二 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定する ことができる。

2 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

3 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。

旧 第398条の2

(根抵当権)

第三百九十八条の二 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。

2 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

3 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。

改正ワンポイント

旧第398条の2の「債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、」を、新第398条の2で「債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、」に変更。


新 第398条の3

(根抵当権の被担保債権の範囲)

第三百九十八条の三 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金 及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度と して、その根抵当権を行使することができる。

2 債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。

一 債務者の支払の停止

二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清 算開始の申立て

三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え

旧 第398条の3

(根抵当権の被担保債権の範囲)

第三百九十八条の三 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。

2 債務者との取引によらないで取得する手形上又は小切手上の請求権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。

一 債務者の支払の停止

二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て

三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え

改正ワンポイント

旧第398条の3の「手形上又は小切手上の請求権」を、新第398条の3で「手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権」に変更。


新 第398条の7

(根抵当権の被担保債権の譲渡等)

第三百九十八条の七 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。

2 元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。

3 元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第四百七十二条の四第一項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。

4 元本の確定前に債権者の交替による更 改があった場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。 元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。

旧 第398条の7

(根抵当権の被担保債権の譲渡等)

第三百九十八条の七 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。

2 元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。

 元本の確定前に債権者又は債務者の交替による更改があったときは、その当事者は、第五百十八条の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。

改正ワンポイント

新第398条の73項が新設。

旧第398条の7第第3項は、新第398条の74項へ移行。

旧第398条の7第第3項の「又は債務者」の文言削除。

旧第398条の7第第3項の「ときは、その当事者は、第五百十八条」を、新第398条の74項で「場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項」に変更。